中国で未知の呼吸器感染症!春節の大移動で日本にも拡大の恐れ
のようなニュースが流れています。原因はヒトメタニューもウイルス感染症のようです。
ヒトメタニューモウイルスは、2001年に発見されたウイルスで、乳幼児に喘鳴をおこすRSウイルスと親戚のウイルスです。比較的最近になって発見されたため、まだその名を知らない方もいるのではないでしょうか。
RSウイルスと症状もよく似ています。3~5日の潜伏期間の後、発熱、咳、喘鳴で始まり、悪化すると気管支炎や肺炎になりやすい特徴があります。高熱が4~5日つづくこともしばしばみられます。
1-2歳ごろに多く、5歳ごろまでに75%、10歳までにほぼ100%がかかる、誰でもかかる風邪ウイルスの一つともいえます。
鼻に綿棒を入れる迅速抗原検査を行う場合もありますが、画像検査などで肺炎所見がある方しか検査の適応はないため、クリニックで行うことはあまりありません。多くの場合、風邪症状が悪化して入院した場合に、入院先の検査で判明します。
残念ながらこのウイルスに対する特異的なお薬はありませんので、症状に合わせた対症療法で経過を診るしかありません。
現在、インフルエンザA型が当院では多い状況ですので、手洗い、マスク、うがいなどの基本的な予防策に加え、しっかりとして栄養と睡眠が重要なことはご存知のとおりです。ですから、ヒトメタニューもウイルスのために、新たな対策や過剰な心配も不要ということですね。
ちなみに、ニュースではインフルエンザBやコロナも増加中とありますが、当院ではほとんどインフルエンザAです。Bはいません。